日本の物価上昇はピークを迎えたか
物価上昇率に変化の兆しが見えてきたか
2023年12月22日に総務省より11月分のデータが公表されました。内容は以下のとおりです。
- 総合指数
前年同月比は2.8%の上昇 - 生鮮食品を除く総合指数(以下、コア指数)
前年同月比は2.5%の上昇 - 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(以下、コアコア指数)
前年同月比は3.8%の上昇
このグラフは、総合、コア、コアコアの3指数の推移を示したグラフです。総務省データより私が作成したものです。グラフをみてみると、2023年の中頃にピークをつけたような形を示しています。これまで一貫して上昇してきたCPIに変化の兆しが見られます。アメリカでも物価上昇は落ち着いてきています。日本もぼちぼち落ち着いてきたのでしょうか。
こちらはCPIを財(モノ)とサービス別に分類したグラフです。2022年は財(モノ)の物価上昇が顕著でしたが、2023年に入ってからは、財(モノ)が低下傾向にあり、代わりにサービスの上昇が顕著になってきています。
こちらはCPIの前年同期比の内容で寄与度分解したものです。寄与度とは各項目が全体の指数をどれくらい押し上げ(下げ)たのかを数値化したものです。
2022年は、食料と水道光熱がCPIを大きく押し上げていることがわかります。
2023年に入ってからは、食料は一貫して上昇してきており、水道光熱は政府の補助がありマイナス寄与に転換しました。教養娯楽の中にある宿泊料がインバウンドやコロナ明けの需要で回復してきており、CPIの上昇に寄与しています。
2023年11月分の最新値をみると、これまで一貫して上昇に寄与してきた食料の寄与度が下がりました(-0.36)。これは変化の兆しになりうるものかどうか今後の動向が大事になってきそうです。
データを可視化して眺めてみるのは面白い
私はデータを可視化して眺めてみるのが好きです。グラフにしてみると、傾向がわかり、違いが明確になってきます。データがあれば主張の裏付けになりますし、訴求力も高まります。
私は政府統計サイトからデータをダウンロードして、自分でExcelで分析して、グラフを作成しています。
ご興味がある方は、ぜひ統計サイトからデータをダウンロードして、自分であれこれ眺めていると面白い気付きがあるかもしれませんよ。