2023年中国のGDP成長率+5.2%は怪しい!?中国人が日本株ETFに殺到?
2024年1月17日、中国国家統計局が2023年の中国のGDP成長率を公開しました。プレスリリースによると、2023年の中国のGDP成長率は+5.2%でした(中国国家統計局HPのリンク)。
中国の政府目標が「+5.0%前後」なので、それはギリギリ達成したようです。
しかし、個人的にはこの+5.2%という成長率は大きな疑問符がつくところです。2023年にあれだけの不動産バブル崩壊を起こし、CPIも0%割れ、失業率が高止まりしているのに、+5.2%も成長するのでしょうか。
今回は高橋洋一氏の書籍を参考に、私も直近のデータを使いながら、簡易的にですが、+5.2%という数字が妥当なものなのかどうか考えてみました。
中国の統計で唯一信頼できる統計は貿易統計?
高橋洋一氏の本を読んでいると、どうやら中国の統計の中で唯一信頼できる統計は、「貿易統計」ということです。理由は、貿易はカウンターパートがおり、ごまかしがしづらいからとのことです。たしかに納得の理由です。
そこで、中華人民共和国税関総署が公開している2023年の中国の貿易データを確認してみました。
GDP成長率と輸入増減率の関係を調べてみました
一般的に先進国のGDPの大きな割合を占めているのが消費です。
国内品を買うことを国内消費、海外品を買うことを輸入と考えましょう。
買う相手は違いますが、どちらも消費と考えることが出来ます。
国内消費と輸入は消費というカテゴリで考えることができ、GDPとも相関がありそうです。
高橋洋一氏も、輸入と消費とGDPの関係について言及しています。
IMFデータから私が輸入増減率とGDP成長率の関係をプロットしてみました。
IMFデータの先進国41カ国を対象に2000年から2022年までの23年分のデータをプロットしてみました。
23年分、41カ国のデータをプロットしたので、それなりの信頼度はあるデータだと思います。
この散布図をみると、たしかにGDP成長率と輸入増減率には、一定の正の関係が見て取れます。試しに相関係数を計算してみると、0.72とかなり高い正の関係が確認できました。
輸入は▲0.3%だけど、GDP成長率は+5.2%?
ここでもう一度先程の中国の2023年の貿易データをみてみましょう。2023年の中国の輸入額は前年比で▲0.3%となっています。
輸入額を▲0.3%として、散布図から作成した近似式に代入して計算すると、GDPは▲0.57%と出ました。
近似式なので参考値にしかすぎませんが、中国政府が発表した+5.2%はかなり疑問符がつく数字だと言わざるを得ません。
中国が日本株ETFの売買を一時停止
日本株に連動する上場投資信託(ETF)に、中国の投資家が殺到している。リスクを巡り警鐘が鳴らされ、17日の取引は一時停止されたが、売買再開後も上昇。警告が無視される形になっている。
「チャイナAMC野村日経225」ETFは現地時間午前10時半(日本時間同11時半)に取引が再開された後に上昇。値幅制限いっぱいの10%高となる場面もあった。16日に純資産価値に対するプレミアムが9.5%に上昇し、運用会社が警告を発したことを受け、17日は1時間にわたり売買が停止された。
Bloomberg News
日本株ETFに中国の投資家殺到-運用会社のリスク警告も無視
Bloomberg記事の引用です。
お金は嘘をつきません。中国人もやばさを感じているのでしょうか。日本株は転換期を迎えており、海外投資家からの買い越し額が歴史的な水準となっています。それに連動する形で中国からも日本株にお金が流れているのだと推測できます。