年代別の金融資産保有額について 皆どれくらお金持ってるの?
Twitterをやっていると、いわゆる金融クラスターにはたくさんの猛者たちしかいないように見えます。そのため、Twitterだけをみていると、自分の感覚がおかしくなってくるので、世間的にみてどうなのよ!?というところを掘り下げていきたいと思います。
実際には、世間一般的にみてTwitterで情報収集を行い、高いマネリテを備え、投資を行い、多額の資産額を保有しているのは数少ない存在です。
金融広報中央委員会(知るぽると)が毎年金融に関する調査をしていて、その資料が参考になるので、今回はそこから引用したいと思います。調査名は、「家計の金融行動に関する世論調査」、です。単身世帯と二人以上世帯、総世帯の3つに別れているのですが、今回は全体がわかる総世帯のデータです。令和4年版になります。データの格納場所はこちらです。
今回紹介する年代別の資料以外にも、色々なデータがあるので、興味がある人は見てみてください。
年代別の金融資産保有額について
上の画像は年代別にどれくらいの金融資産を保有しているのかのデータです。このデータからわかる全体の傾向は以下のことでしょうか。
- 年齢を重ねるごとに、多くの資産額を持つ人達の割合が、そのカテゴリー内に増えてくる。
- どの年代層にも、金融資産を保有していない人たちが一定数いる。
このグラフを見た皆さんの感想はどうでしょうか?
私の感想は「やはりTwitterの金融クラスターの人たちは、外れ値なんだ!」ということです(笑)。
20歳代で金融資産を保有していない人たちは約40%
20~30歳代で、数百万から数千万円の資産を保有している人たちをTwitterでちらほら見かけますが、このデータを見る限り、その人達はかなりの外れ値であることがわかります。
20歳代を見てみると、全体の40%が金融資産を保有していません。500万円以上持っているだけで、全体の上位9.4%に入ります。
金融資産を保有していない人たちが40%いることを考えると(20歳代)、Twitterで情報収集し、家計管理をし、インデックス投資などの長期投資にたどりつき、着実に資産形成をしている人たちは、かなりすごいと言えるのではないでしょうか。
どの年代層にも金融資産を保有していない人たちが一定数存在する
このデータをみてびっくりしたのですが、60歳代や70歳代の人たちの中にも、金融資産を保有していない人たちがいるということです。
これから働き盛りの20歳代ならわかりやすいのですが、人生も後半にさしかかっている段階で金融資産を保有していない層もいるということですね。
若いうちはお金がなくても、体力的にも気力的にもなんとかやっていけそうな気がしますが、高齢者になってから金融資産ゼロは、ちょっと私には厳しいかもしれません。
たくさんのお金を持って死んでしまうこともそれはそれで問題でありますが、なさすぎるのもそれはそれで不安なのではないでしょうか。
20歳代の金融資産保有額の中央値は20万円!
先程の画像は、年代別でみたときに、資産額別の人達がそのカテゴリー内にどれくらい存在するのかを示したグラフでした。
今回のグラフは、年代別の金融資産保有額の平均値と中央値のデータです。
平均値とか中央値というのは、データの分布を数値で示してくれる便利な指標です。指標それぞれにメリット・デメリットがあります。
この手の金額を比べるときには、皆さんの実感を示してくれるのは中央値のことのほうが多いです。平均値は高所得や高資産額の人たちの影響を強く受けてしまうからです。
平均値を参考としつつ、わたしたちの実感に近い中央値を見てみましょう。
20歳代の金融資産保有額の中央値は20万円です。30歳代は150万円です。たしかに、こっちのほうが社会全体の様子を表しているように思います。
この中央値のデータを見ても、やはり、Twitterの金融クラスタの人たちは外れ値であることがわかりますね。20~30歳代で、数百万円、場合によっては1000万円を超えるような資産を持っている人たちは明らかに外れ値です。
金融商品保有割合(年代別・種類別)
もう一個おもしろいデータがあったので、グラフにしてみました。
金融商品保有割合を年代別・種類別に分けたグラフです。
こちらのグラフから見て取れる全体の傾向は、以下のようなものでしょうか。
- どの年代層でも預貯金が半分近くを占めている
- 年代が上がるに連れて、株式の比率が上がっていっている
日本人は現金好きと言われますが、その傾向がこちらのグラフにもよく現れていますね。
日本人は保険が好きというのもあって、生命保険と損害保険を合わせた保険もそれなりの割合になっています。
投資信託の中身が何なのかは気になるところではありますが、投資信託はどの年代でも10%くらいです。
ちなみに、面白いのは株式の項目です。なんと、年代が上がるに連れて、株式の比率が上がっていっています(60歳代は17%ですが、それでも20歳代の12%よりは多い)。
一般的には年齢が上がるに連れてリスクが取りにくくなっていくので、このデータは面白いものがありました。個人的には20と70歳代の株式比率は逆じゃないの!?と思ってしまいました(笑)。
ちなみに、私は現在30代前半でありますが、高リスク資産が90%(世界株式がメイン)、低リスク資産が10%程度(現金・債券など)です。グラフと比べると、だいぶリスクテイカーのようです(笑)。
データをみることで客観視することができる
Twitterで情報収集していると、「周りの皆すごすぎる…。」と感じることが多々あるかと思います。資産形成の目的は自分の人生を充実させることであるので、他人の資産額と比較し落ち込むことは好ましいことではありません。
ただ、そうはいっても人間。比較をしたくなる気持ちはわかります。その時は、Twitter内に存在する外れ値の人と比較するのではなく、このようなランダムに抽出された社会全体を示すと思われるデータと比較したほうがいいです。
その方が、社会全体の分布とその中での自分の立ち位置が客観視できるようになります。